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紳士と謎のメモ

紳士と謎のメモ

74: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 02:54:16.07

ちょっと長くなります

 

74 :1/3:2008/09/22(月) 07:56:57

昨日、とても不思議で不可解な体験をしたのでここに書きます。

 

 

僕は東京のS区に住んでいます。

26歳、元会社員で、今は恥ずかしながらフリーターです。

 

昨日は友人四人と駅近くの居酒屋で久々に飲み、ほろ酔いで自宅まで帰っていました。

駅から自宅までは歩いて10分ほどです。

その途中にコンビニがあるんですが、

お酒のせいで喉も渇いていたし、煙草も切れていたので、寄ることにしました。

 

スポーツドリンクと煙草を二箱買って店を出ると、とても雨が強くなっていて、

その中を出て行くのが億劫なこともあり、

雨宿りがてら煙草に火をつけ、コンビニの軒下で雨足が弱くなるのを待っていました。

 

スポーツドリンクを飲みつつ、二本目の煙草に火をつけたときでした。

隣にいつの間にか中年の上品なおじさんが立っていて、僕のほうをじっとみています。

カーキ色のスーツにノータイ。岡田真澄をもうちょっと線を細くしたような感じの、ロマンスグレーです。

なんだろうと思いつつも気にしないようにしていましたが、

一度意識してしまうと、どうしても視線が気になってしまいます。

知っている人かな?とも思いましたが、顔や雰囲気に見覚えは全くありません。

 

76: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 03:02:21.39

こちらもちらちらと見ていると、その男性が会釈をしたので、思わず会釈し返しました。

「雨が強いですね」「台風のせいでしょうね」

最初は二言三言こんな会話をしていましたが、気がつくと結構しゃべりこんでいました。

その人の話し方がまた上手いんです。

なんていうんだろう…警戒心を和らげるような口調と声質っていうのかな。

大体の身の上というか近況なんかを、知らず知らずのうち世間話的に話してました。

両親とは中学生の頃に死別したこと、大学卒業して上京してきたこと、就職先でトラブルがあり退職したこと、

今はフリーターをしながら、大学院に入りなおすために勉強していること。

ほとんど僕が話していた気がします。

男性は相槌を打ったり、「それで?」と、興味深く聞いてくれたりしてたのがとても嬉しくて優しくて、

何故か話しながら僕は胸が熱くなり、最後の方は鼻声になってしまいました。

 

僕はいつも自分のことを孤独だと思うことがあって、

たとえば親友と会っている時も、彼女がいた時も、

根本的な心の奥底では、自分は結局独りなんだ、という気持ちを完全に拭い去ることが出来ませんでした。

それを相談しようとすると、喉がつっかえて話せなくなるんです。

両親に置いていかれたんだと、心のどこかでまだ思っていたのかもしれません。

 

そんなことを、初めて出会った見知らぬ人間に話している自分にも驚きますが、

黙って聞いていてくれた男性も、今思えば本当に不思議です。

気がつけば一時間くらい、コンビニの軒下で僕たちは話していました。

 

77: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 03:05:15.19

ふと携帯のバイブが鳴り、見ると、さっきまで一緒に飲んでいた友人からの着信音でした。

「ちょっと失礼します」と言って電話に出ると、かなり酔っ払った様子で何を言っているかわかりません。

まださっきの店の近くにいることだけはわかったので、タクシーで迎えにいくからと言って切りました。

男性に挨拶し、友人の件を話して、「話を聞いてくださって有難うございました」とお礼を言いました。

男性は「いえいえこちらこそ」と、親切にもタクシーを、コンビニのお兄ちゃんに言って呼んでくれました。

 

前置きが長くなって申し訳ないのですが、実は本題はここからなのです。

タクシーを待っている間(と言っても三分ほどだったのですが)、男性は奇妙なことを僕に言い出しました。

 

「君はどんなに勉強して試験をパスしても、大学院には戻らないだろう。

 今アルバイトで働いている会社は二年後に無くなる。

 リラ(人名?それとも通貨?)はダメだ。

 西暦2009年1月2日13時43分に、S区Aの某神社境内で、ある女性と必ず出会いなさい。

 茶髪の癖っ毛長めのショートヘアーで、

 ファー付きのベージュのロングコートに、茶色のヒールが高いブーツを履いている」

 

その話の途中でタクシーが着ました。

僕はいきなり言われた色々なことを、整理もできないまま乗り込んだのですが、

ドアが閉まる直前、男性は僕の手に紙切れと何かを握らせました。

そして早口で何かを言いましたが、僕には聞き取れませんでした。

 

78: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 03:07:00.21

77 :4/3:2008/09/22(月) 08:06:01

紙切れには、西暦2009年1月2日~(以下略)の件と、英語と日本語の混じった殴り書き、

『ネメア』『Jacob's Ladder was developed by Causal closure of physics』

『Maryはpaper moonを歌わない』『主観から始まったものは全ては客観に終わる』

そしてサンプルケースのようなものの中に、ピアスが一対入っていて、

『Her diva』と書かれた付箋が付いていました。

紙切れの裏側には、

『彼女に会ったら、ピアスを自然な形で渡す。

 その際に、彼女に自分のことを不審に思われてはいけない。

 難しいだろうが頑張る必要がある。

 Qualeは物質に干渉する。

 1月2日に某神社で、誰よりも早く彼女に会わなければいけない。

 彼女がその日話す初めての人物が、君でなくてはいけない。

 であるから、13時43分に遅れてはならない。

 妹さんは、おじさんとおばさんとうまくやっているが、

 おばさんは一年後に、精密な検診をうけなければならない。

 その時には、妹さんと共に必ず実家(僕のおじの家です)にいるように。

 2009年のお盆に帰省してはいけない。

 ※ただし、彼女ときちんと縁を触れ合わせることに成功した場合のみ。

 万が一にも失敗したならば好きにしてよい。

 君の他に二人いるが、補欠である。』

そんなことが書いてありました。

 

80: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 03:08:41.58

78 :5/3:2008/09/22(月) 08:06:40

驚いたのは、僕が話していないこと(妹のこと、おじとおばのこと)までメモに書いてあったことです。

友人を自分の家に連れ帰り、吐かせて寝かせた後で、

じっくりと出来事を思い返し、何度も紙とピアスを見ましたが、どうも納得というか合点がいきません。

僕だって小説やマンガ、アニメや映画は人並みに見てきました。

しかし、中二病になるには歳を食いすぎています。

からかわれたのか…しかし、妹やおじおばのことは一切話していないにも関わらず、メモに載っている事実。

また、そもそもそのメモを、彼は初めから持っていたとしか考えられない…書く暇などなかったのだから。

ここで未来人だ!未来から来た自分だ!子孫だ!などと妄想するのは簡単ですが、

本当に普通の生身の人でしたし、変わったところもどこもありませんでした。

自分に顔が似ているかというと全く似ていませんでしたし、

今まで出会ったどんな人にも関わりがない、と断言して言えます。

一体なんだったんでしょうか。

今の時代に、狐にでも化かされたんでしょうか。

それとも友人たちがグルになって、イタズラでもしているんでしょうか。

一切創作はありません。

信じてもらえなくても当たり前でしょうが、

リアルではこんな馬鹿げたことを相談しても、

とうとう頭がおかしくなった、と思われるのが関の山だろうと思ったので、このスレに吐き出させてもらいました。

 

82: 紳士と謎のメモ 2011/04/21(木) 03:12:20.94

80 :最後に:2008/09/22(月) 08:13:48

メモの紙もピアスも、どこにでもあるような普通の物です。

ピアスはシンプルなもので、金色の台座に緑の宝石が付いています。

エメラルドっぽいですが、多分イミテーションだと思います。

サンプルケースは、透明のパッキン(?)が付いた、小さなビニール袋みたいなものです。

メモはボールペンと鉛筆で書かれていました。

字体は丁寧だったり殴り書きだったり、アルファベットが筆記体だったりそうじゃなかったり、混沌としています。

僕はどうしたらいいんでしょうか…。

怪しすぎますよね?

紳士から受け取ったというメモの画像

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