UNeCORN

古今東西の不思議なものを集めて展示するWEBアーカイバ・UNeCORN(ユネコーン)

田舎の怖い話

山道

随分前だが一人旅をしていた頃。山奥のひなびた感じが好きで、道の許す限り車で入り込んだりしていたが、やたらと入り組んだ山道にはまって迷った。貧乏でナビもなく、地図は縮尺が粗くて使い物にならない。おまけに天気も荒れてきて山に靄がかかって見通し…

礫ヶ沢の鬼礫

礫ヶ沢のつぶておにの話をしようと思う。 うちからそう離れてない山の中の小さな川なんだけど、そう言う名前のところがあるんだ。

大宮さんがきよる

昨日の話です。 今四国の田舎に帰ってきてるんですが、姉夫婦が1歳の娘を連れてきてるんだけど夜が蒸し暑くてなかなか寝付いてくれなくて、祖父母、父母、姉夫婦、俺、そしてその赤ちゃんの8人で居間で夜更かししていた。

賽銭泥棒

もう時効だと思うんで書く。 十年以上前の3月、俺は高校を卒業したばかりだった。 取ったばかりの免許に浮かれて、兄貴の車であちこちを走り回っていた。

危険な好奇心

小学生の頃、学校の裏山の奥地に、俺達は秘密基地を造っていた。 秘密基地っつっても結構本格的で、複数の板を釘で打ち付けて、雨風を防げる3畳ほどの広さの小屋。 放課後にそこでオヤツ食べたり、●本読んだり、まるで俺達だけの家のように使っていた。 俺…

人間をついばむ烏はすぐ殺せ

「人間をついばむカラスはすぐ殺せ」 「でも、そんなカラス見たことないよ。カラスは、人間が近づくと逃げて行くよ?」 「見たことがないなら、いい。だけど、見つけたらすぐ殺せ」 「……なんで?」 「……」

八尺様

親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。 農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。 じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜…

大広間

父方の叔母から聞いた話です。 父の実家(田舎です)は代々裕福な家だったものの、大正ごろにすっかり勢いが失せてしまったそうで、けれども、古い大きな日本家屋だけは栄えていた当時の面影を残していました。

川遊び

僕がまだ小さかった頃の話。 その頃は週末になると田舎のばあちゃんの家によく行っていた。 山とか野原とか、都会ではほとんど経験できない遊び場があるから、全然退屈はしない。 僕は特にばあちゃんの家のすぐそばを流れる川で、水遊びをするのが大好きだっ…

神様のお世話

俺小さい頃母親に軽い虐待っぽいものを受けてたのね。 でも当時小さくておまけに母子家庭で一人っ子だった俺は、他の家の家庭環境なんて分からないし、同い年の子がどういう風に親と接してるかも分からなかったから、きっと他所の家族もこんなもんなんだろう…

浮かぶ鳥居

俺が体験した話であまり怖くないかもしれないが、ちょっと前の仕事が休みだった日、原付でうちの裏山を走ってたんだよ。 そしたら空にぽっかりと、赤い鳥居が2つ並んだ状態で浮いてるんだよ。 赤い鳥居が浮いてるっていうより、宙にぼやけてるって感じかな…

かんのけ坂

今年の2月に起きた本当の話。そろそろ自分の中でも整理ができてきたので投下する。 今大学4年で就職も決まり学校生活も落ち着いたので、念願の車の免許を取るべく免許合宿に行ったんだ。 俺の地元は近畿なんだが、合宿場所は中国地方だった。 そこで地元が…

田舎の親戚

小学4年生の夏休みの話。 母親は海外に単身赴任してる父親に会いに行き、俺はパスポートがなかったため日本に残された。 祖父祖母は父方も母方も他界していたため、会ったこともない親戚に一週間預けられたんだ。 親戚といってもほとんど血もつながっていな…

井戸の中

小3の時だから、もう10年以上前の話。 片田舎に住んでたこともあって、ゲームとかよりも外で遊ぶことの方が多かった。 特に小1から仲の良かった俺、A、B、Cの四人は、リーダー格だったCの家に隣接してる結構深い林で、ほぼ毎日太陽が沈むまで遊んでた。…

逆向きの注連縄

俺の田舎の祭りに関する話を投下します。 俺は神戸に住んでいるんだけど、子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊びに行ってた。 9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。 そこで友達になったAと毎日遊びまくってて、毎日が凄く楽しかったね…

立派なお墓

実家は山の中の田舎だが、近所に見栄っ張りで有名な家族がいた。 特におばあさんが見栄っ張りで、息子や孫の自慢話ばかりすることで近所から嫌われていた。

木の杭

農作業でビニールシートを固定したりするときに、木の杭を使用することがあるんだが、ウチで使ってる木の杭には、全てある一文字の漢字が彫りこんである。 今まで、特に気にしていなかったんだが、近所の農家で使ってる杭を見てみたところそんな文字は書いて…

ウヅガアさん

うちは田舎の農家で、母屋、倉、便所に囲まれるみたいに庭がある。 で、庭の隅の方に三十センチくらいの高さのまるっこい石が置いてあって、正月に餅を挙げたりする。父親はその石をウヅガアさんと呼んでいた。小さい頃、秘密基地に使おうと思って手を出した…

ムシャクル様

前職が前職だったので、不思議な話を聞く機会はそれなりにあった。老若男女問わず、「こんなことがあったんだが、何もしなくて大丈夫か」「あれは一体何だったのか」などを寺に尋ねに来る人は多い。

黒い毛糸玉

私の実家は東北地方の小さい村にあります。 家は田舎ならではというか結構大きく、敷地内には倉まであって、今思えばかなり裕福な家庭だったのかもしれません。 その倉なんですが、小学生の頃よく親に隠れて中で友達と遊んでたりしました。 ある日、2人で中…

青い袴の人、七五三

事の発端 昔のことなので曖昧なとこも多いけど投下。 こんなことを自分で言うのは何なのだが、私は小さい頃けっこう可愛かった。 今はどうかってのは喪女だということでお察しください。 でも、小さい時の写真を見れば、髪も肩でまっすぐに切りそろえてたか…

ひょうせ・渦人形

高校の頃の話。 高校2年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。 現地はかなり良い場所で、周囲には500m~700mほど離れた場所に観光地の ホテルやコンビニなどがあるだけで他には何も無いけれど、なんか俺達は凄く わくわくして…

海を見てはいけない日

子供の頃の怖い体験がふと思い出されたので投稿します。 9月にうちのばあちゃんの姉(おおばあと呼んでいた)が亡くなり、一家揃って泊まりで通夜と葬式に行ってきた。 実質、今生きている親族の中ではおおばあが最年長というのと、うちの一族は何故か女性権…

「カガ様のおかげ」

医者だった祖父が、とある山中の無医村に赴任したときの話。祖父と祖母の家に預けられる形で、当時6歳の俺も一緒にその村で暮らすことになった。喘息持ちの俺の転地療法も兼ねていた。初日から村を挙げての大歓迎だった。鎮守の神だという蛇(カガ)を祀る…